「9月に入って空気が少し涼しくなってきたけれど、北海道のショアではどこで何が釣れ始めているのか」——そんな北海道ショア釣り師の方へ。
私・ぐるるがるごんが毎日記録している日本海・太平洋・オホーツク18地点の海水温データをもとに、2026年9月前半(1〜10日)の動きをお届けします。前回の2026年8月の海水温レポートもあわせてどうぞ。
結論から言うと、9月前半は全道そろって夏のピークを越え、ゆるやかな下降局面に入りました。日本海8地点は21〜24℃台へ静かに低下し、函館は24〜25℃台と18地点で最も高い水準を横ばいでキープ。太平洋西部の苫小牧は10日間で−1.7℃とよく下がり、オホーツクの網走は−2.3℃と18地点で最大の下がり方で、早くも17℃台へ。魚のほうは、サバはショアで動くものの小鯖中心で渋め、サケ(アキアジ)は全道で「立ち上がり・前兆」段階で本番はこれから。そんななか、道南ではアオリイカの新子(当歳イカ)が動き出し、秋のエギングが静かに開幕しました。
このレポートを読めば、2026年9月前半の北海道沿岸で「水温がどこまで下がり、今どのエリアで何が動き出しているのか」をエリア別に把握でき、秋の入り口の釣行先選びのヒントになればうれしいです。なお、サケ(アキアジ)は網走市・斜里町・小清水町で2026年9月1日から海浜の釣りルールが変わった点にも触れています。
📌 この記事でわかること
✅ 全道で水温が下がるなか、オホーツク(網走−2.3℃)が先行して冷え込むという海域差
✅ サバの渋さ・サケの立ち上がり・道南アオリイカ新子の開幕など、秋の入り口のエリア別の動き
2026年9月前半(1〜10日)18地点の海水温データ
2026年9月1〜10日の北海道沿岸18地点の海水温データをまとめました。日本海・太平洋・オホーツクの3海域で、夏のピークを越えたあとの下降の進み方と海域差を比較できるようにしています。
海域別に、9/1・9/5・9/9の代表3日と、この期間での変化量を確認します(水温は観測の確定に2日ほどかかるため、確定値のそろう9/9までを対象にしています)。
日本海エリア(8地点)
| 地点 | 9/1(℃) | 9/5(℃) | 9/9(℃) | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 積丹(入舸漁港) | 23.2 | 22.7 | 22.6 | −0.6 |
| 石狩(石狩湾新港) | 22.3 | 21.4 | 21.5 | −0.8 |
| 小樽(祝津) | 22.8 | 21.3 | 21.7 | −1.1 |
| 留萌 | 23.6 | 22.7 | 22.3 | −1.3 |
| 寿都 | 22.7 | 22.6 | 22.4 | −0.3 |
| 江差 | 24.2 | 24.0 | 23.8 | −0.4 |
| 古平 | 22.7 | 21.6 | 21.9 | −0.8 |
| 羽幌 | 23.2 | 22.5 | 22.1 | −1.1 |
太平洋エリア(7地点)
| 地点 | 9/1(℃) | 9/5(℃) | 9/9(℃) | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 函館 | 25.3 | 25.2 | 24.8 | −0.5 |
| 噴火湾(室蘭) | 22.7 | 22.3 | 21.5 | −1.2 |
| 苫小牧(西港) | 23.3 | 22.6 | 21.6 | −1.7 |
| 長万部 | 22.6 | 22.9 | 22.0 | −0.6 |
| えりも | 20.9 | 20.6 | 21.1 | +0.2 |
| 釧路 | 19.7 | 19.6 | 19.7 | ±0.0 |
| 厚岸 | 19.5 | 18.9 | 18.9 | −0.6 |
オホーツク・根室エリア(3地点)
| 地点 | 9/1(℃) | 9/5(℃) | 9/9(℃) | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 網走 | 19.4 | 17.6 | 17.1 | −2.3 |
| 紋別 | 18.4 | 17.3 | 17.1 | −1.3 |
| 根室 | 18.9 | 18.7 | 18.1 | −0.8 |
この期間で最も下がったのは網走の−2.3℃、前半の最高水温は函館の25.6℃(9月2日)でした。全18地点のうち、上昇したのはえりも(+0.2℃)だけで、残りはすべて横ばい〜下降。夏のピークを越えて全道が秋の下降局面に入ったことがはっきりわかります。水温はおおむね3つのグループに分かれました。日本海8地点と函館は21〜25℃の高水温グループで、下降しつつも夏魚が狙える帯域。噴火湾・苫小牧・長万部とえりもは20〜22℃台の中水温グループ。釧路・厚岸とオホーツク(網走・紋別・根室)は17〜20℃の低めグループで、とくにオホーツクは16℃台をうかがう位置まで下がってきました。
日本海エリアの釣果考察(前半)
日本海側は8地点すべてが下降局面に入りましたが、それでも21〜24℃台の高水温で、夏魚と秋の魚が入れ替わる面白い時期です。サバ・イワシ・シャコ・ハゼ・ロックフィッシュに加えて、サヨリやアオリイカ(道南)といった秋の魚が動き出し始めたのが前半のトピックです。
サバ・サヨリの走りが出てきた小樽・石狩
前半の日本海では、小樽・石狩の漁港や岸壁でサビキのサバ・イワシの陸っぱり報告が続きました。ただし、真夏に苫小牧などで見られた「サバ70匹」級の数釣りと比べると、9月に入ってからは小鯖中心で数もまちまちと、やや落ち着いた印象です。それでも小樽・石狩・美国など、日本海の広い範囲でサバの群れは確認できています。回遊魚のサバは北海道では7〜10月が本番(特に8〜9月)で、サビキが有効な時期が続きます。サバのサイズや地域差はサバのサイズ別エリアガイド、ベイトの動きはイワシ接岸の読み方もあわせてご覧ください。
あわせて、秋の風物詩サヨリの走りも小樽で顔を出し始めました。サヨリは例年、本番が9月末〜10月にかけてで、9月前半はまだ「これから」の段階です。港内では引き続き、シャコの投げ釣りやハゼの数釣り、ソイ・ハチガラなどのロックフィッシュも楽しめます。シャコの狙い方はシャコ釣り入門、ハゼはハゼ(マハゼ)の生態ガイドもどうぞ。
青物の適水温だが下降局面の積丹・寿都・江差
地磯から狙う「ショアブリ」は、水温上昇とともにベイトが接岸するとナブラが立ちやすい釣りです。ブリはショアで狙う際、口を本格的に使うのが18℃以上とされ、日本海側の21〜24℃台はまだ適水温の帯域に入っています。北上ルート上の一級ポイントである積丹半島西側の地磯や、寿都・弁慶岬周辺は、青物とヒラメ・ソイをあわせて狙える実績エリアです。
ただし前半は水温が下降局面に入り、あわせて青物の釣れ行きを左右するベイト(イワシ・カタクチイワシ)の接岸も、日本海では走り始めという段階でした。ナブラやベイトの気配を見ながらの見極めが必要な時期です。ショアブリの適水温や回遊の傾向はショアブリの釣り場ガイドもあわせてご覧ください。
アオリイカの新子が動き出した道南
前半、日本海側でいちばんはっきり「秋が動いた」サインが出たのが道南のアオリイカです。アオリイカは道南(函館・江差以南)が生息の中心で、秋は当歳の新子(その年生まれの小型)シーズンに入ります。SNSの釣行記では、8月から道南各地の漁港で新子が見られるようになり、9月上旬には「新子がたくさんいる」「釣れた」といった陸っぱりの報告が複数のアングラーから上がってきました。サイズはまだ小さめですが、エギングの秋シーズンが静かに開幕した形です。
アオリイカは高水温を好むイカで、道南の23〜25℃台という高めの水温は狙い目の帯域にあたります。漁港のインショア(常夜灯まわりや堤防際)を中心に、これからの深まりが楽しみな魚です。小さな新子はリリース前提で丁寧に扱い、数を持ち帰りすぎないよう心がけたいところです。
太平洋エリアの釣果考察(前半)
太平洋側は、道南の函館が24〜25℃台と18地点で最も高い水温、噴火湾・苫小牧・長万部は21〜22℃台へ下降、道東(釧路・厚岸・えりも)は19〜21℃台の中〜低水温という構図でした。全体に夏のピークを越え、秋へ向けて静かに水温が下がっています。
18地点で最も高い25℃台を保った函館
太平洋側で前半いちばんの高水温は函館です。前半の水温は9月2日に25.6℃まで上がり、道内で頭一つ抜けた高さを横ばいで保ちました。津軽海峡側は暖かい海水が入りやすく、青物が動きやすい帯域です。函館近郊はショアジギングでのブリ狙いが人気で、津軽海峡に面した下海岸(汐首・恵山方面)の海岸やサーフが狙い場になります。もっとも、前半時点で日付・場所まで確認できる陸っぱりの大型青物の報告は限られており、この時期に聞かれる派手な釣果は沖・船のものが中心です。ここは引き続き動きを追っていきたいところです。
下降局面に入った苫小牧・室蘭・長万部
噴火湾から苫小牧にかけての太平洋西部は、真夏の中水温帯(22〜24℃台)から前半で一段下がり、21〜22℃台になりました。とくに苫小牧は10日間で−1.7℃と、太平洋側では大きめの下がり方です。苫小牧は東港フェンス前・一本防波堤・キラキラ公園が実績場で、サビキのサバ・イワシやシャコ、カレイ・ヒラメが狙えます。ただし真夏に見られたサバの数釣りはやや落ち着き、9月前半は小鯖中心でした。岸からのフクラギ(ブリの若魚)の数釣り本番は例年10月で、これからの時期です。ヒラメの適水温や狙い方はヒラメの攻略ガイドもご参照ください。
中水温帯で落ち着いた釧路・厚岸・えりも
道東太平洋側は、8月後半に上がった水温が9月前半も19〜21℃台の中水温帯で落ち着いています。えりもは前半で18地点唯一の上昇(+0.2℃)、釧路はほぼ横ばい、厚岸は微減と、下降局面のなかでは比較的安定していました。もっとも、この中水温帯で青物や回遊魚が岸から釣れ始めた、とはっきり言える日付付きの釣果は今回のデータ整理では確認できておらず、岸の回遊魚はこれからという段階です。カレイ・コマイ・アメマスなど従来の魚が引き続き岸の対象で、港のソイなどロックフィッシュも堅調です。なお釧路港は、東港区・西港区の指定された岸壁・バースが立入制限区域となっているほか、東港区の北防波堤・南外防波堤、西港区の南防波堤は立入禁止です。釣行の際は現地の表示を確認し、釧路市が案内する千代の浦マリンパークの釣り護岸など、利用できると確認できる場所を選んでください。
オホーツク・根室エリアの釣果考察(前半)
オホーツク海側は、今回の18地点では最も早く秋の冷え込みが進んだエリアです。網走・紋別が17℃台まで下がり、16℃台をうかがう位置に来ました。港のロックフィッシュとカレイ・コマイが岸の主役で、これから水温が下がるにつれて中水温帯の魚が本格化していく時期にあたります。
先行して冷え込む網走・紋別と、これから来る中水温帯の魚
網走は前半で−2.3℃と18地点で最大の下がり方を見せ、9日には17.1℃まで低下しました。紋別も17℃台、根室は18℃台で、オホーツク・道東東部は18地点の中では先頭を切って秋モードに入っています。オホーツク海は沖合の海況や風の影響を受けやすく、短い期間でも水温が動きやすい海域です。港のちょい投げではカレイ・カジカ、港内のガヤ・ソイなどロックフィッシュが堅調で、コマイは夜行性のため夕マズメ〜夜に港内や河口の浅場へ接岸し、水温が下がる時期に数釣りが楽しめます。
水温がさらに下がって16℃前後になってくると、早見表でいう中水温帯(12〜16℃)の魚——ソイ・ガヤ・シャコ・ハゼ・ヤリイカ・スルメイカ・マツカワなど——が少しずつ岸で存在感を増していく傾向があります。オホーツクや道東は、その入り口に最初に立つエリアです。今の水温帯と魚種の対応は北海道ショア 水温×魚種の早見表で全体像を確認できます。
サケ(アキアジ)の本番入りと河口規制の注意
9月に入ると、北海道の各地でサケ(アキアジ)の話題が本格化してきます。2026年9月前半の時点では、太平洋側(日高・十勝方面)で岸からの釣果がぽつぽつと出始め、日本海側(石狩・厚田・浜益方面)でも「サケはいるが釣れない」という声が聞かれ始めた段階です。全道的には「立ち上がり・前兆」から本番へ向かう入り口で、盛り上がりはこれからと見ておくのが自然です。あわせて、定置網の初水揚げは各地で始まっていますが、これは沖の漁のデータで、岸釣りの状況とは分けて考える必要があります。
アキアジやカラフトマスをねらう際に何より大切なのが、サケ・マスの河口規制と海浜ルールです。多くの河川で河口の一定範囲・一定期間の採捕が禁止されており、範囲や期間は河川ごと・年ごとに異なります。とくに網走市・斜里町・小清水町では2026年9月1日から、海岸でのサケ・マス釣りに関する新しいルール(竿の本数や持ち帰り数の制限など)が始まりました。規制の内容・区域・期間・罰則は、必ず公式資料と現地の標柱で当日に確認してください。
9月前半のまとめと、後半への見通し
ここまでが2026年9月前半(1〜10日)の動きです。北海道沿岸の海水温は「全道そろって夏のピークアウト=下降局面入り」となり、18地点で上昇したのはえりも(+0.2℃)だけでした。日本海8地点と函館は21〜25℃の高水温グループながら静かに低下、函館は9月2日の25.6℃が18地点の最高。太平洋西部(室蘭・苫小牧・長万部)は21〜22℃台へ下がり、苫小牧は−1.7℃。道東(釧路・厚岸・えりも)は19〜21℃の中水温帯で落ち着き、オホーツク(網走−2.3℃・紋別)は17℃台へ先行して冷え込みました。魚は、サバがショアで動くものの小鯖中心で渋め、サケは全道で立ち上がり期、そして道南ではアオリイカの新子が開幕——という秋の入り口らしい顔ぶれです。
後半(11〜30日)に向けては、日本海の下降がさらに進むなかで、シャコ・ハゼ・ロックに加えてサヨリ・マメイカ・ヤリイカ・アオリイカ(道南)といった秋の魚がどこまで本格化するか、サケ(アキアジ)の岸釣りが本番に入るかが見どころです。オホーツク・道東が16℃前後まで下がって中水温帯の魚が動き出すかも注目です。釣行の際は、水温だけでなくベイトの接岸状況や河口規制・海浜ルールも確認しながら、安全に楽しんでいただければうれしいです。次回は同じ18地点で9月後半の動きを続けてお届けします。
2026年9月後半(11〜30日)18地点の海水温データ
ここからは2026年9月後半(11〜30日)の北海道沿岸18地点の海水温データです。前半と同じ日本海・太平洋・オホーツクの3海域で、秋の入り口からさらに一段下がった動きを比較できるようにしています。
海域別に、9/11・9/20・9/30の代表3日と、この期間での変化量を確認します。
日本海エリア(8地点)
| 地点 | 9/11(℃) | 9/20(℃) | 9/30(℃) | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 積丹(入舸漁港) | 22.5 | 21.4 | 19.9 | −2.6 |
| 石狩(石狩湾新港) | 21.6 | 21.0 | 20.5 | −1.1 |
| 小樽(祝津) | 21.8 | 21.1 | 20.4 | −1.4 |
| 留萌 | 21.9 | 20.9 | 20.4 | −1.5 |
| 寿都 | 22.2 | 21.6 | 19.7 | −2.5 |
| 江差 | 23.3 | 22.5 | 21.1 | −2.2 |
| 古平 | 21.7 | 21.4 | 20.5 | −1.2 |
| 羽幌 | 21.5 | 21.1 | 20.1 | −1.4 |
太平洋エリア(7地点)
| 地点 | 9/11(℃) | 9/20(℃) | 9/30(℃) | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 函館 | 25.0 | 23.3 | 22.1 | −2.9 |
| 噴火湾(室蘭) | 21.8 | 21.6 | 20.8 | −1.0 |
| 苫小牧(西港) | 21.5 | 21.3 | 20.6 | −0.9 |
| 長万部 | 22.1 | 21.9 | 21.0 | −1.1 |
| えりも | 20.7 | 20.2 | 19.7 | −1.0 |
| 釧路 | 19.7 | 19.1 | 18.7 | −1.0 |
| 厚岸 | 19.0 | 18.8 | 17.5 | −1.5 |
オホーツク・根室エリア(3地点)
| 地点 | 9/11(℃) | 9/20(℃) | 9/30(℃) | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 網走 | 17.8 | 18.5 | 16.4 | −1.4 |
| 紋別 | 18.5 | 19.7 | 15.8 | −2.7 |
| 根室 | 18.2 | 18.1 | 17.4 | −0.8 |
後半で最も下がったのは函館の−2.9℃で、日本海8地点も−1.1〜−2.6℃と下降が加速し、9月末には19〜21℃台まで落ちました。今回の18地点でいちばん高い函館も25.0℃から22℃台へ下がり、24℃を割って一気に秋らしい水温になりました。太平洋西部(室蘭・苫小牧・長万部)は−0.9〜−1.1℃、道東(釧路・厚岸・えりも)は17〜20℃台へ低下。オホーツク方面は紋別15.8℃・網走16.4℃・根室17.4℃と、今回の18地点では最も低い水温帯で、紋別はついに16℃を割りました。その紋別は9月20日に19.7℃まで上がったあと、月末に15℃台へ下がる山型の動きを見せています。前半の「秋の入り口」から、後半はもう一段、秋が深まった1か月でした。
日本海エリアの釣果考察(後半)
日本海側は水温の下降が加速しましたが、19〜21℃台はまだ秋の魚がよく動く帯域です。後半のいちばんの変化は、秋イカ(マメイカ・アオリイカ)がはっきり動き出したこと。前半で走り始めたアオリイカ(道南)に加えて、小樽ではマメイカ(ヒイカ)の便りが届き始めました。
秋イカが動き出した小樽のマメイカと道南のアオリイカ
後半の日本海で楽しみが増えたのが、秋イカの走り出しです。小樽港では、9月21日にマメイカ(ヒイカ)の小型が4杯、9月30日掲載の釣行記でも小型2杯(掲載日基準・実釣日は明示なし)と、秋マメイカの走りが確認できました。ただしサイズはまだ小さく、数釣り本番と呼べる状況ではありません。常夜灯まわりのエギングやライトタックルの垂らし釣りが中心で、水温が下がるにつれて型・数とも伸びていく、秋の走りです。
道南では、前半に動き出したアオリイカの新子がさらに育ち、後半は奥尻の磯や道南の漁港でエギングの釣果が続きました。9月後半は100g未満から300g級までのサイズが確認され、北海道では道南・奥尻を中心に秋の新子シーズンが進んでいるとみられます。アオリイカは北海道では道南・奥尻方面が中心で、9〜10月が秋シーズンにあたります。小さな新子はリリースも意識しながら、秋の一杯を楽しみたいところです。
下降が進む日本海と、姿を見せないサヨリ・ヤリイカ
秋の代表的なターゲットであるサヨリとヤリイカは、季節としてはちょうど時期に入るころですが、後半は岸からの確たる釣果報告が乏しい状況でした。サヨリは9月末〜10月にかけて数釣りの本番を迎えることが多く、これからに期待したいところです。サヨリの仕掛けや狙い方は北海道サヨリの釣り方もあわせてご覧ください。ヤリイカについても、対象期間に岸からの確かな釣果は確認できませんでした。積丹・函館方面で数が出ているイカ釣りは船が中心で、魚種やフィールドが異なるため、岸のヤリイカの裏づけにはしていません。
そのほか、小樽港では9月30日ごろの釣行で、隣で竿を出していた釣り人のマメイカ仕掛けに50cm弱のヒラメが掛かったという場面もありました。港内のシャコ・ハゼ・ロックフィッシュ(ソイ・アイナメ)も引き続き楽しめる時期で、水温低下とともにロックは秋の荒食いに向かっていきます。シャコはシャコ釣り入門、ハゼはハゼ(マハゼ)の生態ガイドもどうぞ。
太平洋エリアの釣果考察(後半)
太平洋側は、道南の函館が下降しつつも23℃台で18地点では高い水準、噴火湾・苫小牧はゆるやかに低下、道東は18〜20℃台へ下がりました。後半は太平洋西部(苫小牧東港・室蘭)でサバやロックフィッシュが動いたのがトピックです。
サバ・ロックが動いた苫小牧東港・室蘭
太平洋西部では、秋の回遊魚とロックフィッシュが具体的に確認できました。苫小牧港の海釣り施設(一本防波堤)では、9月21日にアブラコ7尾・ソイ4尾・ガヤ5尾・ハモ4尾・小サバ5尾と、1日で多彩な魚種が上がりました。室蘭方面でも、9月14日掲載の釣果としてサバ39匹(約24cmが14匹、残りは20cm前後)に、アブラコ・ソイ・ガヤが交じったという報告があります(実釣日は「先週末」とのみで、釣り方は明記なし)。苫小牧東港の1日実績は、水温低下に伴って秋のロックフィッシュへ移っていくことを示すもので、広域的な荒食いの本格化とまでは言えませんが、これからに期待できます。サバのサイズや地域差はサバのサイズ別エリアガイドもどうぞ。
24℃を割った函館と、下海岸のショアヒラメ
函館は後半に25.0℃から22℃台へ下がり、24℃を割りました。それでも18地点では頭一つ高い水温帯です。青物は前半に続き、日付・場所まで確認できる陸っぱりの大型青物の報告は限られ、派手な釣果は沖・船が中心という構図が続いています。一方でショアヒラメは、9月15日に函館の下海岸方面で、夜明けからのショア釣行で50cm超が1尾上がりました。対象期間内の単発の実績ですが、秋も岸からヒラメが成立する一例です。狙う場合は、津軽海峡に面した下海岸(汐首・恵山方面)のサーフや海岸が候補になります。ヒラメの適水温や狙い方はショアヒラメ 水温別攻略法もご参照ください。
中水温帯へ下がった道東(釧路・厚岸・えりも)
道東太平洋側は、9月末に釧路18.7℃・厚岸17.5℃・えりも19.7℃と、中水温帯の下の方まで下がってきました。例年、この時期はカレイ・コマイ・ソイなど、水温の下がる時期に強い魚が岸の対象になります。9月21日掲載の投げ釣り情報では道東でタカノハガレイの連続ヒットが伝えられましたが、実釣日・場所・サイズは不明で、単発の確認にとどまります。青物・回遊魚が岸から本格的に釣れ始めた、と言える日付付きの実績はまだ限られており、道東の回遊魚はこれからという段階です。なお釧路港は、東港区・西港区の指定された岸壁・バースが立入制限区域となっているほか、東港区の北防波堤・南外防波堤、西港区の南防波堤は立入禁止です。釣行の際は現地の表示を確認し、釧路市が案内する千代の浦マリンパークの釣り護岸など、利用できると確認できる場所を選んでください。
オホーツク・根室エリアの釣果考察(後半)
オホーツク海側は、今回の18地点では最も早く秋の冷え込みが進み、9月末には16〜17℃台まで下がりました。港のロックフィッシュとカレイ・コマイが岸の主役で、中水温帯の魚が動き出していく時期にあたります。
18地点で最も低くなった網走と、乱高下した紋別
網走・紋別・根室は9月末に16〜17℃台と、今回の18地点では最も低い水温帯になりました。網走は月末に16.4℃、根室は17.4℃まで下がり、紋別は9月20日に19.7℃まで上がったあと、月末には15.8℃と16℃を割る山型の動きを見せています。オホーツク海は沖合の海況や風の影響を受けやすく、短い期間でも水温が動きやすい海域です。下のグラフのように、紋別単体で見ると後半なかばの山と月末の下降がはっきり出ています。ただし、9月後半に日付付きで確認できる岸釣果はこのエリアでは乏しく、水温帯からは秋冬の魚への移行が注目されるものの、実績による立ち上がりの判定は難しい状況でした。港のちょい投げのカレイ・カジカ、港内のガヤ・ソイ、夜行性のコマイなどは、この時期の一般的な狙い方として押さえておきたいところです。

2026年のアキアジは不漁の年|後半の岸の状況と河口規制
2026年のサケ(アキアジ)は、シーズン前の来遊予測の段階から約364万尾(前年実績の約53%)という、近年でも低い水準の年です。9月後半に入っても、今回確認できた日付付きの岸釣り情報の範囲では、全道が一律に本番・盛期へ入ったと判断できる状況ではありませんでした。確認できた範囲では、オホーツク方面のサーフでも見える範囲で日に数本、本人・同行者は0尾が続くといった、複数の釣行で低調な記録が中心でした。日本海側・道東でも、岸から狙える水準で安定して釣れているという確かな報告は限られています。
ここで大切なのが、定置網(沖)の漁獲と、岸からの釣りは別物という点です。定置網の水揚げが前年並みの地域があっても、それがそのまま岸に群れが寄って釣れることを意味しません。今年は母数となる群れが薄く、接岸のムラも大きいため、「通えば当たる」という年ではない、と見ておくのが自然です。
そしてサケ・カラフトマスをねらう際に何より大切なのが、河口規制と海浜ルールです。網走市・斜里町・小清水町では、2026年9月1日から11月30日まで、船を使わない竿釣りについて、同時に使用する釣り竿は1人3本以内、釣獲できるサケは1人1日3尾以内、釣獲したサケはやむを得ない場合を除き放流しない、というルールが始まっています(網走市は法的規制と案内)。加えて、各河川の河口では一定範囲・期間の採捕が禁止されており、範囲や期間は河川ごと・年ごとに異なります。規制の内容・区域・期間・罰則は、必ず公式資料と現地の標柱で当日に確認してください。カラフトマスについては、オホーツク各地で岸からの確たる釣果を確認できず、状況の判断は難しい後半でした。
2026年9月のまとめと、10月への見通し
2026年9月を前後半で振り返ると、北海道沿岸の海水温は「全道そろって夏のピークアウト → さらに一段の下降」という、秋がまっすぐ深まる1か月になりました。日本海8地点は前半に下降局面へ入り、後半は−1〜3℃台で19〜21℃台まで低下(函館は後半−2.9℃、紋別−2.7℃)。函館は前半の25℃台から後半に22℃台まで下がりました。太平洋西部(室蘭・苫小牧・長万部)はゆるやかに低下、道東(釧路・厚岸・えりも)は17〜20℃台へ、オホーツク(網走・紋別・根室)は16〜17℃台(紋別は16℃を割って15.8℃)と、18地点では最も低い水準まで下がりました。魚は、後半に秋イカ(小樽のマメイカの走り・道南のアオリイカ)が動き出し、太平洋西部でサバ・ロック、函館下海岸でショアヒラメ(単発)、道東で秋カレイの報告が出る一方、サケ(アキアジ)は不漁の年で岸は本番盛期とは言えない、という顔ぶれでした。
10月に向けては、例年の季節進行を基準にすれば、水温がさらに下がるなかでマメイカ・ヤリイカの秋イカや、日本海のサヨリの数釣り、ロックフィッシュ、サーフのヒラメ・カレイが候補になります。ただし2026年9月後半には確かな岸実績を確認できなかった魚種もあり、実際の立ち上がりは10月の日付付き釣果で確かめていきたいところです。道東・オホーツクが中水温帯へ入って魚種が入れ替わるかも見どころです。釣行の際は、水温だけでなくベイトの接岸状況や河口規制・海浜ルールも確認しながら、安全に楽しんでいただければうれしいです。次回のレポートでも、同じ18地点で10月の動きを追っていきます。



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