苫小牧東港フェンス前が釣れる理由|水温と潮で変わるホットスポットの正体

釣りノウハウ

この記事のポイント
・温排水の影響により外海と異なる高水温帯が形成される。
・干潮付近は暖水が広がりフェンス前以外でも釣れる範囲が拡張する。
・上げ潮では冷水流入により釣れる場所が限定される。
・釣果は場所ではなく水温分布と潮のタイミングで決まる。


苫小牧東港厚真発電所前(通称:フェンス前)では、
フェンス前が釣れると聞くけれど、なぜ釣れるのか分からない。
一等地に入れないと魚が釣れないのではないか。

そんな疑問を感じたことはありませんか。

このエリアは温排水によって高水温帯が形成される特殊なフィールドであり、
魚は「場所」ではなく「水温」に集まっています。

さらに、暖かい水が安定して存在することで、
魚が滞留しやすい“天然の生簀”のような状態が作られています。

そしてこの水温帯は潮の動きによって広がったり縮んだりするため、
時間帯によって釣れる範囲が変化します。

この記事では、フィールドワークによる実測データをもとに、
フェンス前が釣れる理由と再現性のある考え方を解説します。

「釣れる場所探し」から「釣れる条件の再現」に変えたい方は、
ぜひ参考にしてください。


苫小牧厚真発電所前(通称:フェンス前)が釣れる理由

温排水によって港内水温が外海より大きく上昇する

フェンス前が釣れる最大の理由は、
温排水によって港内水温が外海より大きく上昇している点にあります。

火力発電所では冷却に海水を使用し、
その水がやや温められた状態で排水されます。
その結果、港内には外海とは異なる水温帯が形成されます。

今回の実測では、公称水温2.8℃に対して港内は約9℃と、
明らかに高い水温を示していました。

これは単なる誤差ではなく、
別の水塊が存在している状態です。

このような環境では、低水温を避けたい魚が集まりやすくなります。
つまり、フェンス前が釣れるのは偶然ではなく、
水温差によって魚が集まる必然的な環境が形成されているためです。


フェンス前周辺に暖水が溜まる構造がある

このエリアは暖水が溜まりやすい構造になっています。

港内は外海と比べて水の入れ替わりが遅く、
水が滞留しやすい傾向があります。
そこに温排水が加わることで、暖水が蓄積されます。

今回の観測でも、広範囲で高水温が維持されていました。

さらに、表層とボトムの温度差が小さいことから、
水全体が均一に暖まっていると考えられます。

これは港内全体が暖水プールのような状態であり、
魚にとって居心地の良い環境が長時間維持されることを意味します。

その結果、このエリアは
魚が抜けにくい“天然の生簀”として機能していると考えられます。


水温差が魚の行動を支配している

このエリアでは、水温が魚の行動に強く影響しています。

通常の釣り場では潮の流れが重視されますが、
ここではそれ以上に水温の影響が大きいと考えられます。

観測では、フェンス前周辺に魚影が集中し、
水温の変化に応じて行動範囲も変化していました。

つまり、
魚がいる場所に行くのではなく、水温が合う場所に魚が集まる状態です。


実測データから見えたホットスポットの正体

計測日の2026年3月17日の満潮・干潮時刻は以下の通りでした。

【大潮】2026年3月17日
満潮…3:30・14:00
干潮…8:39・20:59


9時(干潮時)は広範囲が高水温で釣れる状態だった

干潮付近ではホットスポットが最大化しやすくなります。

外海からの冷水流入が弱まり、暖水が広がることで、
広範囲で釣れる状態が成立します。


12〜13時(上げ潮時)は外海の冷水流入で水温が低下した

上げ潮ではホットスポットが圧縮されます。

冷水の流入によって暖水エリアが縮小し、
魚はより条件の良い場所に集中します。


18時は港内全体が再び高水温で均一化した

干潮へと移行する夕方は、水温が再び安定します。

暖水が優勢となり、広範囲で条件が整いやすくなります。


外海との水温差が最大で約5℃以上あった

このエリアは外海とは別環境といえます。
この水温差が魚の集まりやすさを大きく左右しています。


潮の動きでホットスポットが拡張・圧縮される

干潮付近は暖水が広がり釣れる範囲が広くなる

干潮付近は最も釣れる範囲が広がるタイミングです。

暖水が維持されることで、
場所に依存しない釣りが成立しやすくなります。


上げ潮では冷水流入によりポイントが圧縮される

上げ潮では釣れる場所が絞られます。

魚は暖水エリアに集中し、
一等地の重要性が高まります。


潮止まりは水温構造が安定しやすい時間帯

潮止まりは見逃されがちですが、
環境が安定しやすいタイミングです。


狙う魚種によって立ち回りを変える

サビキ釣り(ベイト狙い)はホットスポット内を狙う

サビキ釣りでは、
温排水によって形成された高水温帯の内側を狙うのが有効です。

このエリアは

  • プランクトンが増えやすい
  • 小魚が集まりやすい
  • 水温が安定している

といった条件が揃っており、
魚が滞留しやすい環境になっています。

ホットスポットの中に入れるかどうかが、
釣果を分ける要素になります。


ルアー(フィッシュイーター狙い)は境目を遠投で狙う

フィッシュイーターを狙う場合は、
ホットスポットの外縁を狙うのが効果的です。

温排水と外海水がぶつかる境界付近では、

  • ベイトの動きが鈍くなる
  • 捕食が成立しやすくなる

といった状況が生まれます。

人が多く立ち位置の自由度が低い場合でも、
遠投することでこのラインを狙うことが可能です。

実際に今回のフィールドでも、
岸から少し離れた場所でナブラが発生し、
ボラのヒットも確認されました。

これは、捕食が成立しているラインが
沖側に存在していることを示しています。


フェンス前に入れなくても釣れる条件

干潮前後はフェンス前以外でも釣果が安定する

干潮前後はホットスポットが広がるため、
一等地に依存しない釣りが可能になります。


釣果は場所ではなく水温分布で決まる

このフィールドでは、場所よりも水温分布が重要です。

水温・潮・時間を組み合わせて考えることで、
釣果の再現性は大きく向上します。


まとめ

苫小牧厚真発電所前(通称:フェンス前)は、
温排水によって港内に高水温帯が形成される特殊なフィールドです。

実際の計測でも、発表水温よりも5℃ほど高い水温でした。

魚は「場所」ではなく「水温」によって集まり、
このエリアは魚が滞留しやすい“天然の生簀”として機能しています。

さらに、この水温帯は潮の動きによって拡張・圧縮され、
釣れる範囲が時間によって変化します。

干潮付近では広がり、
上げ潮では一等地に集中する。

この構造を理解することで、
「フェンス前に入れないと釣れない」という状態から抜け出せます。

この釣り場で重要なのは、
場所を取りに行くことではありません。

条件を再現することです。

水温分布・潮のタイミング・時間帯。
この3つを組み合わせることで、釣果の再現性は大きく変わります。

今回のフィールドワークから、
その構造を数値として確認できたという点で、大きな一歩になりました。

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