「去年の3月にはホッケが爆釣だったのに、今年はさっぱりだ……」
そんな経験はありませんか? 釣りにおいて、カレンダー(月日)を基準に釣行計画を立てるのには大きな落とし穴があります。
魚は体温が周囲の環境に依存する変温動物であり、その活性を支配するのは暦ではなく、物理的な熱エネルギーである「水温」だからです。
水温を見極めることが出来たら、釣れる魚種がわかる。
釣れる魚種がわかれば、目的に合った釣りができる。
安定した釣果が欲しいのであれば、水温も釣行の判断材料として考える必要があります。
この記事では、札幌近郊3エリア(積丹・石狩・苫小牧)の海水温と狙える魚種について解説していきます。
水温で釣れる魚種を一覧で理解する|札幌近郊(積丹・石狩・苫小牧)の海水温と釣れる魚種早見表|

年間の水温変化と魚の動きを一枚にまとめた「早見表」で全体像を把握しましょう。
水温ゾーンの分類と代表魚種
この図では、水温を4つのカラーゾーンに分類しています:
• 🔵 冷水ゾーン(0〜8℃): スケソウダラ、コマイ、ニシンなど、冬のターゲットがメイン。
• 🟢 黄金水温ゾーン(8〜12℃): サクラマス、ホッケ、カレイ、アイナメの最盛期。北海道のショア釣りが最も熱い帯域です。
• 🟡 中水温ゾーン(12〜16℃): ソイ類やガヤ、ヒラメの入り始め。
• 🔴 高水温・回遊魚ゾーン(16℃以上): ブリ、サバ、マイワシなど、夏の青物が本番を迎えます。
グラフ:北海道・札幌近郊3エリアの海水温平均海水温

| エリア | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 積丹(℃) | 5 | 4 | 6 | 7 | 9 | 12 | 20 | 21.5 | 20 | 13.5 | 8.5 | 6.5 |
| 石狩(℃) | 2 | 2 | 4 | 5.5 | 8 | 12.5 | 20 | 22 | 20 | 13.5 | 7.5 | 4.5 |
| 苫小牧(℃) | 4.5 | 4 | 5 | 6.5 | 9 | 11.5 | 14.5 | 16.5 | 15 | 11.5 | 8 | 5.5 |
この表の値は「月ごとのだいたいの代表値(目安の中間値)」です。
正確な統計上の「月平均水温そのもの」ではなく、「釣りで水温を見るときの平年イメージ」に近い値と考えてください。
表:札幌近郊3エリアの月別海水温目安
| 積丹方面(後志西部沿岸) | 石狩(石狩湾沿岸) | 苫小牧(胆振中〜東部沿岸) | |
|---|---|---|---|
| 1月 | 約4〜6℃ | 約1〜3℃ | 約3〜6℃ |
| 2月 | 約3〜5℃ | 約1〜3℃ | 約3〜5℃ |
| 3月 | 約5〜7℃ | 約3〜5℃ | 約4〜6℃ |
| 4月 | 約6〜8℃ | 約4〜7℃ | 約5〜8℃ |
| 5月 | 約8〜10℃ | 約7〜9℃ | 約8〜10℃ |
| 6月 | 約10〜15℃ | 約10〜15℃ | 約10〜13℃ |
| 7月 | 約18〜22℃ | 約18〜22℃ | 約13〜16℃ |
| 8月 | 約20〜23℃ | 約20〜24℃(年によっては23〜26℃) | 約15〜18℃ |
| 9月 | 約18〜22℃ | 約18〜22℃ | 約14〜16℃ |
| 10月 | 約12〜15℃ | 約12〜15℃ | 約10〜13℃ |
| 11月 | 約7〜10℃ | 約5〜10℃ | 約6〜10℃ |
| 12月 | 約5〜8℃ | 約3〜6℃ | 約4〜7℃ |
札幌近郊3エリアの「だいたいの月別表層水温」を目安として表にまとめました。
折れ線グラフで用いた数値よりも細かく表示しております。
海水温で見た札幌近郊3エリアの特徴
以上の海水温のデータを基に、札幌近郊3エリアの特徴について解説していきます。
石狩湾(日本海・浅場):極端な振れ幅を持つ「激動型」
年間レンジは0〜26℃。札幌近郊で最大級の振れ幅を持ちます。浅場が多く閉鎖的な湾内は、冬は0℃台まで凍てつきますが、夏は強い日差しで一気に昇温します。
この極端な差がコマイやシャコといった特定のターゲットを呼び寄せます。
積丹(日本海側):春の昇温が早い「瞬発型」
年間レンジは3〜24℃。対馬暖流の影響を強く受け、5月には早くも黄金水温の10℃前後に到達します。春の昇温が早いため、青物の接岸も早く、初夏にはブリやヒラメが活発化する動きの速いエリアです。
苫小牧:夏場でも冷涼で緩やか「安定型」
夏でも18℃程度と、日本海側に比べて非常に冷涼です。ここで注目すべきは「7月の5.5℃の壁」です。日本海側が約20℃まで上昇し回遊魚が乱舞しているとき、苫小牧はわずか14.5℃。この劇的な温度差により、苫小牧では夏場でもホッケやカレイといった冷水系ターゲットを長く楽しめるのです。
「日本海側が高水温すぎて渋い時は、太平洋側ならまだ適水温かもしれない」。このエリアを跨いだ戦略こそが、ボウズを回避する鍵となります。
海水温で狙える主な魚種
水温データと魚種の活性を紐付けた実践的なリストです。釣行時やターゲット選びに活用してください。
| 魚種 | 活性が上がる水温目安 | 低水温限界 | 高水温限界 | 主なハイシーズン(月) | 水温ゾーン | 実践ワンポイント |
|---|---|---|---|---|---|---|
| スケソウダラ | 2〜5℃(好適は5℃以下) | 0〜2℃ | 8〜10℃ | 1〜3月(太平洋側港内回遊時) | 🔵 冷水 | 中層〜ボトムの回遊を拾うイメージ。重めの胴付きやブラー。ハリ数多めで。 |
| コマイ | 0〜10℃ | 0〜3℃ | 15℃ | 4〜5月・9〜12月 | 🔵🟢 冷水〜低〜中水温 | 水温一桁なら「ちょい投げ+長時間ステイ」。夜〜マズメにカケ上がりと港奥の溜まり場を重点的に。 |
| カジカ(ギスカジカ等) | 0〜10℃(特に5〜8℃) | 0〜3℃ | 12〜15℃ | 10〜1月(地域により9〜2月) | 🔵🟢 冷水〜低〜中水温 | ベタ底ズル引き+「止め」を長く。匂い強めエサで障害物まわりを攻める。 |
| ドンコ(エゾイソアイナメ) | 3〜8℃(特に5〜7℃) | 0〜2℃ | 12〜14℃ | 11〜3月(太平洋側港内) | 🔵🟢 冷水〜低〜中水温 | 太平洋側港内のストラクチャー「ベタ底」が本命。イソメ房掛けやサンマ切り身を重めのオモリで沈め、ステイ長めでじっくり探る。 |
| ニシン | 5〜10℃ | 2〜4℃ | 12℃ | 1〜4月 | 🔵🟢 冷水〜低〜中水温 | 群来狙いは夜〜明け方の常夜灯直下。コマセは少量ずつで「足止め」、サビキでレンジをこまめに探る。 |
| チカ | 5〜15℃ | 3〜5℃ | 18℃ | 11〜12月・3〜6月 | 🔵🟢 冷水〜低〜中水温 | 群れのタナが頻繁に変わる。渋いときはハリを1〜2号落とす。 |
| サクラマス・アメマス | 5〜15℃(10〜15℃軸) | 4〜6℃ | 18〜20℃ | 3〜6月 | 🔵🟢 冷水〜低〜中水温 | 水温上昇の朝イチ、ベイト付きのサーフや磯を回遊ライン優先でチェック。鳥・小ナブラ・潮目のセットを探す。 |
| カレイ類 | 7〜15℃(10℃前後) | 3〜5℃ | 15〜18℃ | 3〜6月・9〜11月 | 🔵🟢 冷水〜低〜中水温 | 水温8〜10℃なら完全放置より誘いを入れるとアタリが出やすい。 |
| アイナメ | 8〜15℃ | 4〜6℃ | 18〜20℃ | 3〜6月・9〜12月 | 🟢 低〜中水温 | 水温が数℃上がったタイミングで一気にシャローをチェック。ストラクチャーのある一等地から打つ。 |
| ホッケ | 8〜13℃ | 4〜6℃ | 15℃ | 3〜5月・10〜11月 | 🟢 低〜中水温 | 「当たる層」を見つけたらそのレンジ固定で手返し重視。 |
| カナガシラ | 10〜20℃ | 6〜8℃ | 22℃ | 5〜7月・9〜11月 | 🟢🟡 低〜中水温〜中水温 | 起伏のある砂泥底を意識。少し派手目の仕掛けでもよく口を使う。 |
| ガヤ(エゾメバル) | 12〜16℃前後 | 6〜8℃ | 20〜22℃ | 4〜6月・10〜12月 | 🟢🟡 低〜中水温〜中水温 | 常夜灯の明暗境界を斜めに通し、反応がなければ一段下のレンジへ。テトラ際は「フォール長め+ステイ」で。 |
| ソイ類 | 12〜16℃ | 3〜7℃ | 20〜22℃ | 4〜7月・9〜11月 | 🟢🟡 低〜中水温〜中水温 | 12〜14℃帯は良型チャンス。ボトムから中層までのリフト&フォールで縦方向のスイッチを入れるイメージ。 |
| マメイカ | 8〜15℃ | 6〜8℃ | 20℃ | 6〜7月・11〜1月 | 🟢 低〜中水温 | 回遊が速いのでテンポよく足元〜表層を探る。反応が出たタナを連続キャストで叩き、群れが抜ける前に数を稼ぐ。 |
| シャコ | 12〜22℃(16〜20℃最強) | 10〜12℃ | 25℃以上 | 5〜9月(ピーク7〜8月) | 🟢🟡🔴 低〜中〜高水温 | 真夏の砂泥底10〜20mちょい投げ。青イソメチョン掛け5〜10分待機。 |
| ハゼ | 15〜25℃(夏小型)/8〜14℃(冬大型) | 5〜8℃(冬大型) | 28℃(夏小型) | 6〜10月/11〜2月 | 🟡🔴中〜高水温/🟢低〜中水温 | 夏:砂地テトラ帯をちょい投げ。 冬落ち:深場にちょい投げてじっくり待つ。水温10℃以下でも大型残留年あり。 |
| ヤリイカ | 15℃前後(ツツイカ類) | 8〜10℃ | 18℃ | 12〜3月 | 🟡 中水温 | 水温が安定して冷えた冬〜早春に岸寄り。潮が緩む前後にレンジを細かく刻み、「フォール中の抱き」を意識して誘う。 |
| ハモ(アナゴ系) | 15〜24℃、生息自体は8℃以下まで耐性あり | 10〜12℃ | 25℃前後 | 6月〜11月(噴火湾・苫小牧) | 🟡🔴 中水温〜高水温 | 夕マヅメ〜夜間の砂泥底・カケ上がり狙い。マイカ短冊やサンマ切身でちょい投げ。 |
| イワシ(マイワシ) | 12〜22℃(16〜20℃軸) | 10〜12℃ | 25℃以上 | 6〜9月中心 | 🟢🟡🔴 低〜中水温〜高水温 | 目で見える群れの少し下をサビキが通るように意識する。コマセは少量こまめに。 |
| アキアジ(シロザケ) | 10〜15℃ | 8〜10℃ | 20℃ | 8〜11月 | 🟢 低〜中水温 | 水温が下がり始めたタイミングの「濁り+ゴミ少なめの潮目」が狙い目。朝マズメ集中で、潮目の角度と立ち位置を微調整しながら投げ続ける。 |
| ヒラメ | 15〜25℃(18℃軸) | 12〜14℃ | 25℃以上 | 5〜7月・9〜11月 | 🟡🔴 中水温〜高水温 | 水温15℃超でサーフのシャローゲーム本格化。ベイトが絡むヨレ・地形変化を中心に、波打ち際までしっかり通す。 |
| ブリ | 16〜21℃ | 14〜16℃ | 25℃ | 6〜10月 | 🟡 中水温 | 水温16〜18℃で「朝夕+風表+潮目」が揃えば勝負どき。ベイト反応優先で立ち位置を変え、ジグのウェイトよりも“通すライン”を意識する。 |
| サバ | 14〜24℃(20℃軸) | 12〜14℃ | 26℃以上 | 7〜10月 | 🟡🔴 中水温〜高水温 | 広く・速く探る。表層だけでなく中層の反応もチェックし、「タナが変わった瞬間」を見逃さない。 |
| アオリイカ | 18〜24℃(18〜21℃軸) | 15〜16℃ | 26℃以上 | 北海道ではレア(本州〜西日本向け) | 🟡🔴 中水温〜高水温 | もし北海道で狙える水温帯になったら、18〜20℃で一気にシャロー藻場をチェック。 |
実践チェック方法|釣行前に“水温”を見る習慣を
釣行前にチェックすべきは、カレンダーではなく「水温」です。
実際にサイトやアプリのチェック方法はこちら。
■ 海上保安庁「海洋速報」
沖合の海面水温や潮流情報が確認できます。
やや専門的ですが、広域の水温傾向を掴むのに有効。
👉 向いている人:沖磯・船釣り・広域判断をする人
■ 気象庁「海面水温分布図」
北海道全域の水温分布を俯瞰できます。
前年差や平年差も見られるため、「今年は高い?低い?」の判断に最適。
👉 向いている人:シーズンのズレを読みたい人
■ Windy

視覚的に水温を確認できる便利アプリ。
ピンポイントでも見れるし、全体を見て“流れの傾向”を見る用途に向いています。
他にも雨雲レーダー、風向き、波高、海流など、様々なモードがあります。
👉 向いている人:いろいろな場所のピンポイント情報を知りたい人。
■ タイドグラフBI(※超おすすめ)
港ごとに潮位と水温を確認できる最も実践的なツール。
特にショア釣りでは、
- 今その港が何℃なのか
- 今、潮位はどのタイミングか
が分かるだけで、釣りの戦略の幅が違ってきます。
タイドグラフでの水温の見方

知りたい漁港を開き、少し下へスワイプすると「水温」が表示されます。
(月齢表示に重なる場合があるので少しずらすのがコツ)
見るポイントは2つだけ。
① 現在の水温は何℃か
② 狙いの魚の活性温度に入っているか
水温の目安判断
- 7℃ → カレイ・ホッケ圏内入り目前
- 9〜11℃ → 黄金水温ゾーン突入
- 15℃超 → ヒラメ・青物接岸可能性UP
もし、
「狙いたい魚の活性温度」と
「今いる釣り場の水温」が合わない場合は…
👉 Windy などで適水温エリアを地図上から探す。
これが“水温思考”の本質です。
水温×魚種フローチャート
| 水温ゾーン | 水温目安 (℃) | 代表魚種 |
|---|---|---|
| 🔵 冷水ゾーン | 0〜5 | スケソウダラ、コマイ、カジカ |
| 🔵 冷水ゾーン | 5〜8 | ニシン、チカ、サクラマス・アメマス(低活性)、カレイ(入り口) |
| 🟢 黄金水温ゾーン | 8〜10 | ホッケ、カレイ、アイナメ |
| 🟢 黄金水温ゾーン | 10〜12 | アイナメ、マメイカ(回遊型)、カナガシラ、サクラマス(高活性) |
| 🟡 中水温ゾーン | 12〜14 | ガヤ、ソイ、シャコ(入り口)、ヒラメ(低活性) |
| 🟡 中水温ゾーン | 14〜16 | ソイ、シャコ、ヒラメ(活性上昇)、イワシ(回遊型) |
| 🔴 高水温ゾーン | 16〜20 | ブリ、サバ、シャコ(最盛期)、ヒラメ(活性MAX) |
| 🔴 高水温ゾーン | 20以上 | 青物全般、アオリイカ(条件合えば)、ハゼ(夏小型) |
実例シミュレーション
こんな経験ありませんか?
小樽ではボウズだったのに、積丹方面では釣果が上がっている……
これは水温で説明できます。
■ 小樽:5.8℃
■ 積丹方面:7.3℃
わずか1.5℃差。
しかしこの差は大きい。
積丹はカレイ・ホッケの活性帯(8℃前後)に近づいていた。
つまり、
✔ 小樽 → まだ冷水寄り
✔ 積丹 → 黄金水温ゾーン目前
この「数℃の差」が釣果の差になったわけです。
まとめ:釣果を伸ばす「水温活用術」
北海道の釣りにおいて、「8〜12℃の黄金水温ゾーン」を逃さないことが、ホッケやカレイなどの数釣りを楽しむ最大のコツです。
また、狙いたい魚種と活性温度と実際の水温を見比べることで、釣りを戦略的に考えることができます。
1. 釣行前にエリアごとの海水温をチェックする。
2. その水温がどの「ゾーン」に属しているかを確認する。
3. ゾーンに合った魚種と釣り方を選択する。
このステップを踏むだけで、あなたの釣果は劇的に安定します。
次回の釣行前、まず見るのはカレンダーではなく“水温”。
それだけで、あなたの釣りは変わります。
ぜひ、次回の釣行プランに役立ててください!


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